トップセミナー
2018.07.28

先日、札幌商工会議所が主催している「TOP SEMINAR 2018  ~ 一流経営者が語る、未来への道標~」を受講してきました。

今回は2回目で100円ショップ「ダイソー」、株式会社大創産業の創業者 矢野博丈氏による講演でした。矢野会長の若いときは、気が弱く、販売を強く進めることができない、その為、セールスはできないと思い、利益は薄くても、お客様に喜んでただける商品の提供を考え、100円ショップを他社では利益が薄く取り扱えない商品まで販売を行っていったそうです。

すると、当初は地元の有力スーパーなどから展示の仕事を頂き、通常の催事では考えられない程の売り上げを創ることができ、事業が拡大していった。しかし、途中、当時の100円ショップの大手とすり替えられ、一時仕事が無くなったのですが、その後、再度スーパーから声がかかり販売を継続したとのことです。大手の100円ショップは売り上げが上がらず撤退となり。その理由は商品数が少なく、利益がしっかりとれる商品だけを扱っていた為、お客様にとって魅力的と感じられず売り上げが伸びず終了したとのことでした。また、接客の態度も矢野会長が現場に立っていた時は、5点で500円のお客様も1点で100円のお客様も購入頂いたときは本当に心の底から「ありがとうございます」と感謝の気持ちを込めてお礼を行っていたのに対し、そこが薄いように思えたとのことです。

とにかく、田舎で商売を行うのであれば、利益は薄くても「お客様の「喜ぶ笑顔が見れればよい」、そして感謝の気持ちを忘れないという事を信念に商売してきた。

「儲けは考えない、売上が上がれば何とか食っていける、それで良い」

と思い、商売をしてきた。

商売当初、D社やイトーヨーカドーなどのスーパーとお取引させて頂けるようになり、更に企業の成長が加速したそうです。

ただ、倒産したD社のN社長とイトーヨーカドーの伊藤オーナー、鈴木社長では違う点があり学ぶことができたともおっしゃってました。

N社長は利益追求を主眼に置き経営していた。

それに対しイトーヨーカドーはお客様第一主義を貫いていた。

D社のN社長もイトーヨーカドーの伊藤オーナーも現場ではいつも怒っていたそうです。

しかし、内容はN社長は会社の利益を求めていく為に行っていたのに対し、伊藤オーナーはお客様の期待に応える、社員の成長に期待しそれを創っていき、社員とお客様の為に企業を守っていくという事に必死に行っているという事が間近で見ることができたそうです。

セブンイレブンの鈴木社長のエピソードをおっしゃっていました。

それはセブンイレブンで販売しているカレーパンです。

今、セブンイレブンだけではなく、数年前からカレーパンがふっくらとなり具が多くなったのをご存知ですか?

私はそれを知っていました。

カレーパンが変わりおいしくなったな思っていたんです。

それが、イトーヨーカドーの鈴木社長の一言から始まったとは思いませんでした。

ある時、鈴木社長が販売しているカレーパンを食べ、「まずい」と怒り、パン屋さんを呼び、叱り、改善を要求した。

その際、パン屋さんから帰ってきた言葉は、「社長、でもこのカレーパン、凄く売れてますけど‼」

しかし、鈴木社長から帰ってきた言葉は、「まずいものはまずい、売れていようとお客様の為にならないものを提供するようでは将来にわたってお客様から選ばれることはない」と全店舗のカレーパンを回収し、その後、数カ月店頭にカレーパンが並ばなかったそうです。その結果、作られたのが、今の「カレーパン」だとのことだったそうです。

これが、D社のN社長であれば「売れているのであれば、いいか。」と、そのまま、進めたのでは思われ、利益を追求していった。

そのような、周りの経験から、矢野会長は、

「ありがとうと感謝の気持ちを持ち、社会貢献、社会奉仕のこころ、そして、謙虚さを忘れず、徳が大事、徳がない企業は生き残れない。」

私も、100円の商品をお客様の笑顔を見るために提供してきた。

同業者は資金力が付くと粗利が少ないこの事業とは別の事業を立ち上げ、業種変更し、儲かる事業を行うなどに取り組んでいった。私は頭も悪く、器用じゃないのでとにかくいい商品をお客様に届けたい、利益はいいから売り上げを創ることをしてくると、販売数が増え製造単価が安くなり、原価が抑えられ、結果利益が出るという状況が出てきたんです。

やはり、「利益は目的ではなく結果なのだな」と改めて確認させられました。

お客様の為に、商品・サービスを提供する。

そして、お客様に選ばれ、繁栄する。

結果、裕福になる。

私も、この考えに沿い、日々精進していこうと思った講演でした。