先日、携帯電話に知らない電話番号から着信がありました。
だれだろうと思い出てみると数年前にご自宅の任意売却を行った熊谷(仮名)さんのご主人からでした。
熊谷さんは勤務先の事情で収入が減少したことと、友人の保証人になりその債務を負わなければいけなくなったことにより自宅を任意売却せざる負えない状況での当時は相談でした。
結果、奥様の住み続けたいご希望が強かった為、奥様のご両親に相談し、ご両親が購入することにより、住み続けるというご希望がかなえたのですが、その後は、特にご連絡も無かったので無事に過ごしているものとばかり思っておりました。
しかし、熊谷さんの話を聞くと任意売却が終わった数か月後、奥さまの体調がすぐれなかった為、病院に行くと癌が見つかったそうです。
それからは抗癌剤などでの治療が始まり、一時期は回復の兆しはあったのですが数か月前に亡くなられたとのことでした。
奥様はまだ40台で私よりも少し年齢は上でしたが若いということもあり、そのことを聞いたときは非常にショックでした。
性格はいつも明るく前向きで笑顔がたいへん素敵な方でした。そのイメージが強く残っているので本当にお亡くなりになったことは信じられなかったのです。
熊谷さんからの今回の相談は奥様のご両親から奥様がお亡くなりになったので奥様に相続で残そうと思っていたご自宅を熊谷さんに譲りたいとの申し出があり、どうしたらよいかとの内容でした。
奥様にお線香をあげたいと思い、税金や債務の問題もあるので後日訪問し、お打合せすることを約束しました。
ご自宅にお伺いし、奥様の入院した当初からお亡くなりになる直前の状況のお写真を拝見しました。
熊谷さんの話によると抗癌剤治療により食事も食べられず、具合が悪く嘔吐したりする状況であったにもかかわらず、どの写真も奥様らしく、笑顔で前向きな意思がお顔には見えました。
ただ、時間が経過するのつれ痩せ細ってきているのが明らかなのを見ると私も目の直前までこみ上げるものがありました。
私は自分の仕事を通じてしか皆様のお役には立てませんが今回、熊谷さんの奥様には改めて何ができたのだろうと考えると、ご自宅を競売で売却され、引っ越しすることなく、任意売却で住んできたご自宅を守り、最後を迎えられたことで少しは役に立てたのではと思っております。
もう、熊谷さんの奥様にはなにかしてあげれることはできませんが、今回のことで改めて、今できるベストのことを相手に対し、何事にも行わなっていかなければいけないなと強く思いました。
熊谷さんの問題は引き続きお手伝いしていきたいと思いますが
奥様のご冥福を心からお祈りいたします。