住み続ける!?
2016.10.14

加藤さん(仮名)から連絡があったのは
「自宅に裁判所の方が競売の調査に来るどうしたら良いのでしょうか?」
との電話が始まりでした。

大分お電話の状況では気持ちが混乱しているようでしたのでまずはお会いしてお話を聞かせて頂くことを提案し翌日ご自宅に訪問しました。

状況をお聞きすると従兄弟の事業資金の借入に際し保証人になり、その債務の返済が回ってきたのです。
当の従兄弟は現在行方が分からず、叔父ももう他界し返済する人は加藤さん以外おりませんでした。
ただ、債権額は200万円程度と少なかったのでそれで自宅を売却するのはもったいない為、身内や知人等で資金を貸してもらう人はいないか再度当たってみることをお勧めしました。

数週間後、加藤さんより電話がありました。
残念ながら、「 資金の目途が立たなかった 」との連絡でした。

ご家族は加藤さんとお母さんのお二人です。
自宅の土地建物は数年前にお父さんが亡くなり加藤さんが単独で相続していたのです。
もし、お母さんの持ち分もあれば競売になるのは加藤さんの持ち分だけなので売却は難しく競売の申し立てもされなかったかもしれません。

取急ぎこれからの方針を再度ご自宅に訪問し話し合いました。
加藤さんのご希望は 「 住み続けたい 」 とのことでした。
同居しているお母さんがもうお歳が80才を超えて持病もある為、環境を変えず生活していきたいとのご希望でした。
身内や知人に協力者がいれば問題ないのですが資金を貸していただける方もいないのでもちろん購入して頂ける方もいないとの状況。
その為、当社にて購入することを提案しました。
当社購入後、いづれ加藤さんが資金の準備ができ次第当社から加藤さんへ売却し戻すという将来設計前提に行う方針で進むことが決まったのです。

お家賃の設定や保証人など詳細の問題はありましたが無事売買が終了し、競売の取り下げが完了しました。

加藤さんは大変まじめな方だった為、保証人という意味を深く理解せずに安易に引き受けたために起こった災難でした。
でも、最悪の競売で自宅を立ち退かざるおえない状況は回避できたことに大変喜んで頂きました。
お母さんのホッとした表情が私も忘れられません。

早く資金を準備し買い戻して頂く日が来ることをお待ちしております。