先日、地方の任意売却物件の売却決済が完了しました。
お手続きを終了し、お金を借りてました銀行へご返済を済ませ、最後のご挨拶と思い握手をすると、売主の奥様が、涙と共に感情が溢れ、感謝のお言葉を頂く。
私も、胸が熱くなりました。
ご依頼頂いたのは、8カ月前。
当社のホームページをきっかけに、息子さんからのお電話でした。
お父さんが、昨年、脳の病気を患い、一命はとりとめたものの自宅で過ごすことが困難、治療費が必要となり、住宅ローンの返済が不可能に…
また、奥様は持病もあり、冬の雪かき等は困難で、一人で自宅での生活は難しい。
どうしたらよいか、先が見えない…
まずは、お会いし、詳細の状況をお聞きし、これから起きること、対処方法について、お伝えしました。
問題は、解決したわけではありませんが、これから起きることをご理解頂き、対処方法も明確になり、少しはご安心頂く。
お帰りになる際、「素晴らしい仕事ですね」と奥様からお言葉を頂いたことを覚えています。
慣れない札幌の為、ビルの外に一緒に出て、駅の方向をお伝えし、二人の後ろ姿を見ながら、お力になろうと強く思いました。
まずは、当社の顧問弁護士に相談し、団体信用生命保険の適用ができないのか確認、ご主人の状況による為、先生が病院を訪問し、面談、状況を保険の契約内容と照らし合わせるが、保険金の条件が厳しく、団体信用生命保険は適用にはならない…
次、銀行に連絡、滞納機関が短かった為、相場からの価格査定を行いましたが、完済するのは難しいのではと判断。
しかし、任意売却まではまだ、経過時間があった為、債権者と時期を調整し、まずは完済する価格にて、販売開始。
すると、価格は相場から考え、強気と思っておりましたが、内覧希望が複数入り、内覧者のうちのお一人が、条件が合致しお申し込みを頂く。
リハビリ中のご主人に再度お会いし、ご契約のご報告。
昨年お会いした時に比べ、痩せてしまい、体調、状況が厳しいことは、すぐに理解できました。
その後、売買契約を無事に締結。
二日後、打合せの為、息子さんへ電話。
その時、お聞きしたのが、「お父さんの病状が急変し、亡くなった」 私も、弔う気持ちと共に、これからの手続きについての不安が心を支配していきました。
お通夜に出席、お父さんへ最後のご挨拶。
息子さんの挨拶で、若いときからの思い出、「子煩悩で温かい父…」
私の父のことを思い出し、目頭が熱くなりました。
相続を終了させないと何もできない。
司法書士の先生が相続人ご家族とすぐにお打合せ頂き、分割協議を整え、相続登記行う。
契約は、金融機関、買主様、債権者と調整し、続行、予定通りに売却決済を終えました。
いろいろなことがありました。
最後の別れ際、奥様から、
「これからも、私たちと同じように困っているたくさんの方のお力になって下さい。」
とお言葉を頂きました。
このお言葉を心に刻み、一人一人のご相談者に向き合っていきたいと思います。
ご主人のご冥福と、奥様のお幸せを心からお祈りいたします。
ありがとうございました。