住宅ローンが払えない、その理由は?
2021.03.17

昨今、コロナウィルスの影響により、給与が激減したり、仕事がなくなったりで、住宅ローンが払えない方が急増しております。

そのことにより仕事及び給与が安定しないと家族(夫婦間)でのトラブルも増えます。

厚生労働省「人口動態調査」(2019年12月31日現在)によると札幌市では、離婚件数が一年間で4024件とかなり多い状態であり、これは、一日平均2.05件の離婚が発生していることとなります。

コロナウィルスの影響により今後は、更に離婚件数が増えていくのではないでしょうか?

 

近年、不動産を購入する人は単独名義が少なく夫婦で収入合算をし、購入する方が目立ちます。それはなぜでしょうか?

それには、住宅購入時の男性の年収が大きく関係してきます。北海道の男性の平均年収は、425万円です。

銀行で組める「住宅ローン」は、年収の5倍から6倍が借入の最大と言われています。425万円を6倍すると2550万円になります。

借入の最大額は、住宅購入にかかる諸費用込みでその価格になります。

 

現在札幌市内の地価相場は、平均すると坪20万円程です。

建物の大きさにもよりますが、新築建物は36坪位で安くても1600万円位が相場です。

これは、一般的な2階建ての4LDKの大きさに匹敵します。

大手施工メーカーで建てると坪80万円の施工費はすると思います。

この建物を建てるには、土地が最低でも50坪必要となります。

土地で、1000万円、建物で、1600万円、合計2600万円。

お分かりいただけましたでしょうか?

2600万円の土地建物を買う場合には、物件代金の1割から2割ほどの諸費用もかかります。諸費用を足すと最低でも2860万円の資金が必要となります。

という事は、ご主人の年収だけで新築を建てることは不可能なのです。

 

よって、夫婦の収入合算をして住宅を購入する方が多くなるというわけです。

円満で暮らしている間はよいのですが、収入合算をして購入することが大きなトラブルを生むことがあります。 

近年の一番多い相談は、住宅ローンが払えなくなった、または払えなくなりそう、というものです。

ご主人の収入が昔のように上がっていく会社はそう多くありません。

子供が生まれると育児のために妻が仕事を辞めて収入が減ったり、世帯収入が変わることも多く、生活が厳しくなることも多々あります。それは、資金がショートしていくことに繋がります。

 

例えば、戸建住宅購入に2860万円借入した場合、各銀行によっても異なりますが、金利が0,7%で3年固定35年での借り入れの場合は、月額7万7000円位の支払いになります。固定資産税は、新築の場合3年~7年は優遇されますが、それ以降は支払額が増えます。場所及び建物にもよりますが一般的な年額は16万円程度だと思います。月額にして1、3万円。

北海道男性の平均年収425万円を基準に考えると、住民税や保険料等を引かれると手取りは約30万円程。ガス・水道・電気等の光熱費は、約3万円。その他にも車のローン、車の保険・生命保険等…。残りの金額が生活費とすると、生活は、カツカツだと思います。

そして、3年後金利の見直しが行われます。現在で行くと、0,975%。月々の支払いは約1万円程上がります。子供も時が経つにつれて大きくなり生活費もかさみます。その金利の見直しの時期が支払いを続けていく上で第一の難関だと思います。

住宅維持にはお金がかかります。戸建ての場合、5年後には外壁の塗装、10年後にはボイラー等の設備の異常が見られてくると思います。よって、現在の収入で、維持は出来るがリフォームや補修が出来ない状況も増えていると思われます。

 

マンションを買う場合は最も注意が必要です。

借入の最大は、先程お話した通り2,550万円です。購入は、2,550万円までは出来ますが果たして維持ができるのでしょうか?

先程の条件で、2,550万円で購入した場合は、月額の支払いは、6万8000円になります。

マンションは、他に管理費・修繕積立金・駐車場代等がかかります。月額3~4万円かかります。固定資産税等も戸建に比べ高いです。築年数や床面積にもよりますが、固定資産税等は概ね16万円程かかります。よって、光熱費等も考慮すると月額15万円程の維持費がかかります。

どうでしょうか?この金額を考えたときに購入を検討出来ますか?

私の経験上、北海道の平均年収を425万円と考えたとき、マンションの場合は物件代金で1200万円から1400万円が無理なく支払いを続けられる限界だと思います。私たちは、こういった注意点を確認したうえで購入を検討してもらっております。

 

任意売却には専門の知識が必要になります。

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